日本家屋の耐用年数が短くなる主な原因は? Vol.11

なぜ、「日本家屋の平均耐用年数が30年弱」しかないのでしょうか?

家が短命になる主な原因は、木材や鉄を腐らせる結露にあります。

木造づくりの家では、結露が発生すると木材を腐らせるカビ(腐朽菌)が発生します。

カビの発生する3要素は、

1)栄養素(人間のフケなどの有機塵)、

2)温度(人間にも快適な温度)、

3)“結露”が発生する前後の高湿度です。

 

その内、1)栄養素と2)温度は人が住む環境では避けようがないので、

3の“結露”を防ぐことがカビを発生させない唯一の方法です。

結露を防ぐ最も合理的な方法は、家に高い調湿機能を持たせることです。

そうすれば、家屋内に結露とカビは発生しません。

 

一方、冬の過乾燥状態は人に風邪を誘発させ家の構造体である木材の強度を弱め

ます。

調湿機能は室内の過度な湿度を抑えると同時に過乾燥も防止します。

お風呂、調理、人体等から発散する湿気を吸収したセルロースファイバーが冬の乾燥期には、湿気を放出し室内を適度な湿度(50~70%)に保ちます。

適度な湿度が保たれれば、例えば同じ18℃でも過乾燥時より体感温度は暖かく感

じ、室内は健康とお肌と美容にとても良い環境になります。

加えて、適度な湿度は木を長持ちさせます。(過乾燥は木の強度を弱める)、

 

また、鉄骨造りの家でも、結露が発生しなければ構造材である鉄は錆びないので

家は長持ちします。

 

では、どうすれば家の中で結露の発生を抑えるだけの秀でた調湿機能を家に持たせることができると思いますか?(つづく)

 

写真は、夏場の冷房冷やされた壁内のグラスウールに湿度の高い夏の外気が次々と流れ込み結露が無限大に発生した挙句のシミと思われます。

(9月22日付けブログ「豊洲市場の地下水はどこから来た」に夏の結露関連記事掲載)

 

この段階では、壁の内部に詰められたグラスウールは水を含んだスポンジのようになり、グラスウールにはカビがびっしりと発生し真っ黒になっていると思われます。