“殺人アリ”の異名を持つ南米産の「ヒアリ」。触ると火傷のような痛みが起きるといい、国内での相次ぐ発見報道に不安を感じている人も少なくないだろう。
それを受け、漆喰を使った住宅の販売やリフォームなどを行うエグゼスタイルは、ヒアリの侵入を防ぐことを目的とした「ヒアリ対策住宅」「ヒアリ対策リフォーム」のサービス提供を7月25日から開始する。
ホウ酸を塗装してヒアリの身体やエサに付着させる
愛知県名古屋市に本社を構える同社は、元々提供する住宅に「ホウ酸」を用いてシロアリ対策を行っている。名古屋でも6月末にヒアリが発見されており、シロアリ対策の施工を行う際、顧客に「これってヒアリにも効くの?」と聞かれた。
同社が調べたところ、ホウ酸はシロアリ・ゴキブリの他、ヒアリ、蚊など害虫全般に有効であることが分かったという。ホウ酸は人間にとっては無害だが、ヒアリを含む害虫は体内で分解することが不可能だ。
ヒアリ対策として、新築であれば骨組み全体に、リフォームであれば土台にホウ酸を塗装するという。同社担当者は「ここまではシロアリ対策と同じ」といい、
「シロアリは木の土台を食べるためこれだけで有効ですが、ヒアリは食べません。なのでホウ酸の塗装はヒアリの体やエサに付着させることが目的になります。さらにヒアリを寄せ付けないため漆喰を塗り、その調湿効果と空気の洗浄効果で住みづらい環境にしていきます」
と説明した。
子どものいる幼稚園や学校から問い合わせ相次ぐ
7月19日現在、ヒアリ対策住宅やリフォームに関して40件以上の問い合わせがあり、すでに12件の予約が入っている。今月25日から順次施工に移るという。同担当者は、
「個人宅だけでなく、やはり子どもたちのいる幼稚園・学校からの依頼もあります。7月末までにはWEBサイトをリニューアルし、『ヒアリ対策住宅』のページを設置して認知度を上げていきたいです」
と話した。人間に害のないこの住宅は、特に抵抗力の弱い幼児や老人に効果的として、個人宅から幼稚園・小学校、病院、老人施設などの公共施設まで幅広い施工を考えている。害虫対策の他にも、効果として「汚れがつきにくい」、「消臭効果」などがあるという。費用は5万円から。
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