(前回までのあらすじ)
防水シートは湿気を防げるか?① 湿気をブロックする是非
防水シートは湿気を防げるか?② 夏は結露製造膜になる?!
防水シートは湿気を防げるか?③ 透湿防水シートの方がいい!
防水シートは湿気を防げるか?④ 北海道も防湿シートはNG!
前回は、冬でも湿気が高い気候状況や湿気の多い立地状況に対応できる調湿能力を備えるためには、タイベックのような透湿防水シートや漆喰のような透湿建材を使い、水換算で何十リットルもの水蒸気を調湿するセルロースファイバーのような建材を使うべきだとお話ししました。
家を長持ちさせたいのであれば、湿気を通さない防水シートやビニールクロスを貼って「ムレる」家にするのではなく、乾燥し易いように外壁や室内壁に透湿性を持たせ、過大な水蒸気はセルロースファイバーで一時的に調湿するようにすべきです。
また、省エネの観点から24時間換気は賛成できません。
炊事やお風呂等で大量に水蒸気が発生する時は換気扇をつけたり窓を一時的に少し開けるなどの集中換気をお勧めします。
例えば、豪雪地帯の冬でも温かい昼下がりは窓を開けて換気をし、外壁まで雪が積もったら雪かきをして外壁を乾燥させるなど、家屋全体が乾燥し易い環境を整えていくことが家を守る秘訣だと思います。
また、冬季の暖房は水蒸気を発生せず3倍効率の良いヒートポンプ式エアコンにするのも良いと思います。
東北地域など冬季の湿度の高い地域では、冬季に湿った家全体を夏の期間に乾かせてはいかがですか?
関東など冬季に乾燥する地域では、わざわざ加湿器を使うなどせずにお風呂や炊事のお湯を室内温度と湿度維持に活用してはいかがですか?
夏季は、屋根裏の断熱を確保した上で窓を全開にして、長時間の冷房は控え目にし、せいぜい扇風機を使う程度で木陰のような涼しさを楽しみたいものです。
セルロースファイバーで断熱すれば、夏の強い日差しで壁内や天井裏までスッキリと乾燥して気持ちの良い夜を楽しめると思います。
セルロースファイバーで天井裏を断熱すれば、暑い夏の最上階でも扇風機だけで自然な避暑を楽しめます。
セルロースファイバーで断熱すれば、上述のように冬季に一時的に窓を開けて暖気と湿気を屋外に排出しても、セルロースファイバーは膨大な水蒸気の熱エネルギーを蓄えていますので、換気で室内の湿度と温度が一時的に低下しても、セルロースファイバーが調湿と調温をしてくれます。
大切な家を長持ちさせるには、結露の発生原理を理解した上で、家と対話をしながらこまめに対応していくのが肝要だと私は信じています。
次回は、本課題の最終回です。
結露の発生原理をお話しする予定です。
結露の問題は私のライフワークになりました。
このテーマで多くの方のご意見やご質問を頂けると嬉しく思います。
そして、日本の気候風土にあった家づくりを追及できたら幸いです。
結露は、地域別の気候特性や家屋の立地環境など多様な要因が複雑に絡み合う難しい問題ですが、結露の発生原理を理解すればどのように対応するのが良いか自ずと判明してきます。
このブログを読まれた皆様におかれましては、反論、質問、ご意見、何でも結構ですのでコメントを頂けましたら嬉しく思います。
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