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「屋根の下ぶき防水シートにご注意」シリーズのバックナンバー
前回は、防湿フィルムを壁の中に貼ると冬はシートの室内側に、夏はシートの室外側に結露が生じやすくなるというお話しをしました。
勿論、防湿フィルムの表と裏の温度差が発生しにくいように断熱材を防湿フィルムの片側に貼ったり、壁内に結露が発生しても乾きやすいように通気層を設けたりして、対応されてる工務店様も多いと思います。
それでも長時間にわたって暖房や冷房をすると壁内の防湿フィルム表裏に温度差が発生し、温度の高い側の防湿フィルム表面に結露が発生します。
特に、夏場の長時間冷房は厄介です。
それは無尽蔵の湿った外気が、冷房で冷やされた防湿フィルムの室外側表面に際限なく結露するからです。
そして、グラスウールなどの調湿しない断熱材自体も冷やされ断熱材内部でも結露すると、表面張力が強く働き結露が結露を呼ぶ悪循環になります。
その結果、壁内にカビが発生し壁内の構造材を腐らせ、日本の平均住宅寿命が30年以下という現状があるのです。
手前味噌ですけども、セルロースファイバーは調湿性能が格段に高いので、結露となる余分な水蒸気を木質系の繊維が余裕で吸湿します。
冬季、乾燥してくると水蒸気を放出し適度な室内湿度を維持してくれます。
夏季、昼間の直射日光でセルロースファイバーは気化して乾燥しますが、蒸し暑い夜は昼間に乾燥したセルロースファイバーが室内の湿気を吸湿します。
また、ホウ酸を20%含有しているのでカビの発生を抑制し、ゴキブリも繁殖しません。
とにかく、外壁内の屋内側に透湿しない防湿フィルム(結露製造フィルム)を使えば、上述のようにカビ発生リスクは格段に高まります。(下図)
ですから、壁内に湿気を通せんぼする防湿フィルムを貼るのは言語道断なのです。
最近では、高い防水性が要求される外壁の屋外側下地シートに、デュポン社のタイベックシートのような透湿防水シート(水蒸気は通すが水は通さないシート)を貼って、湿気を外に逃がすような設計にしているお家が増えているのは幸いです。
防湿フィルム(非透湿)と透湿防水シート(透湿)の特性の違いは、ビニールの雨合羽(非透湿)が蒸れるのに対して、ゴアテックス製の雨合羽(透湿)は蒸れにくい事例が分かり易いと思います。
でも、北海道や北陸等の豪雪地帯の冬は、外気の湿度も高く外壁に接するまで雪が積もることもあるので、家屋内外の温度差と湿度差および凍結等の複雑な関係が壁内の結露問題に関係してきます。
次回は、豪雪地帯での防湿フィルムの是非について考察する予定です。
結露の問題は私のライフワークになりました。
このテーマでご意見やご質問を頂けると嬉しく思います。
そして、日本の気候風土にあった家づくりを追及できたら幸いです。
結露は、地域別の気候特性や家屋の立地環境など多様な要因が複雑に絡み合う難しい問題すが、結露の発生原理を理解すればどのように対応するのが良いか自ずと判明してきます。
このブログを読まれた皆様におかれましては、反論、質問、ご意見、何でも結構ですのでコメントを頂けましたら嬉しく思います。
6月14日のブログでご紹介した胡蝶蘭のお花6輪が、2週間後の28日に8輪全開になりました。
最初に咲いたお花は、1ヶ月以上も元気に咲き続けてます。
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