屋根の下ぶき防水シートにご注意!⑤(改訂版) 大切な家を長持ちさせるには、結露状況に応じた対応が肝要! 精霊流し

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「屋根の下ぶき防水シートにご注意」シリーズのバックナンバー

① 冬季は屋根の防水シートに結露しやすい!

② 夏は防湿フィルムが結露製造膜になる!

③ セルロースファイバーは結露となる水蒸気を余裕で吸湿

④ 豪雪地帯でも防水シート/防湿フィルムはNG!

 

前回④は、冬でも湿度が高く外気が低温で結露が発生しやすい豪雪地帯の家屋の結露対策に

ついて考察しした。

 

セルロースファイバーは、自重の約10%もの水蒸気を調湿し、例えば、1トンのセルロースファイバー(≒15kg/袋×66袋)は、水換算で100リットル(バスタブ半杯分)の水蒸気を調湿できます。

 

室内外がいずれも湿気の高い豪雪地帯の冬に対応できる調湿能力を備えるためには、膨大な水蒸気を調湿するセルロースファイバー断熱材を壁と屋根裏に吹き込み、透湿性の有る建材でセルロースファイバーが調湿し易い環境を整えることが重要だとお話しました。

 

家を長持ちさせるためには、湿気を通さない防水シート/防湿フィルムやビニールクロスを貼って「ムレる」家にするのではなく、結露し難いように外壁や室内壁に透湿性を持たせ、過大な水蒸気はセルロースファイバーで一時的に吸湿するようにすべきです。

 

また、省エネの観点から24時間換気は賛成できません。

炊事やお風呂等で大量に水蒸気が発生する時は、換気扇をつけたり窓を一時的に少し開けるなどの一時的な集中換気で十分だと思います。

 

セルロースファイバーで断熱すれば、上述のように冬季に一時的に窓を開けて暖気と湿気を屋外に排出しても、セルロースファイバーは膨大な水蒸気の熱エネルギーを蓄えているので、換気で室内の湿度と温度が一時的に低下しても、セルロースファイバーが調湿と調温をしてくれます。

 

 

例えば、豪雪地帯の冬でも温かいお昼時に窓を開けて換気をし、外壁まで雪が積もったら雪かきをして外壁を乾燥させるなど、家屋全体が乾燥し易い環境を整えていくことが家を守る秘訣だと思います。

 

また、冬季の暖房は水蒸気を発生せず赤外線暖房に比べて3倍も効率の良いヒートポンプ式エアコンにするのも良いと思います。

 

東北地域など冬季でも湿度の高い地域では、冬季に湿った家全体を夏の期間に乾燥させる意識で、家に透湿性を持たせ呼吸する健康住宅を心がけると良いと思います。

 

関東など冬季に乾燥する地域では、わざわざ加湿器を使うなどせずにお風呂や炊事のお湯を室内温度と湿度維持に活用してはいかがでしょうか?

 

ご参考までに、冬乾燥気味になる私の自宅兼ショールームでは、窓を開けずにお風呂の湿気をリビングに誘引して室内の壁・天井内に吹き込まれたセルロースファイバーに湿気と熱エネルギーを一時的に蓄えているくらいです。

それに、窓を開けなくても新鮮な空気はサッシのレールの隙間から換気されるそうです。

 

屋根裏にセルロースファイバーを吹き積もらせれば、夏季は木陰のような断熱効果が期待できます。

その上で、窓を全開にして、最高気温35℃以上の猛暑日は無理せず冷房を使うとしても、長時間の冷房は控え目にし、扇風機で木陰のそよ風のような避暑地の涼しさを楽しみたいものです。

 

壁内や天井裏のセルロースファイバーは、夏の強い日差しで昼間に乾燥するので、夜は気持ちの良いスッキリした夜を迎えることができます。

 

上図は壁内に断熱材が入ってない極端な例ですが、

上図左の冬型結露は、室内の湿気が外壁内に侵入し冷えた構造用合板の湿度の高い室内側で結露します。

上図右の夏型結露は、外気の湿気が外壁内に侵入し冷房で冷えた石膏ボードの湿度の高い室外側で結露します。

 

 

 

無数の穴の開いた防湿フィルム(ポリエチレンフィルム)に包まれたグラスウール断熱材が壁の中にあると、夏と冬で湿度の高い側の低温面で結露が発生します。

 

また、壁紙がビニールクロスの場合も透湿しないので夏季はビニールクロスの室外側で結露して接着糊を栄養にしてビニールクロスの裏側でカビが発生します。

 

 

大切な家を長持ちさせるには、結露の発生原理(水蒸気の飽和原理)を理解した上で、家と対話をしながら、こまめに対応していくのが肝要です。

 

次回は、本課題の最終回です。

結露の発生原理をお話しする予定です。

(⑥最終回に続く)

 

 結露の問題は私のライフワークになりました。

このテーマでご意見やご質問を頂けると嬉しく思います。

そして、日本の気候風土にあった家づくりを追及できたら幸いです。

 

結露は、地域別の気候特性や家屋の立地環境など多様な要因が複雑に絡み合う難しい問題ですが、結露の発生原理を理解すればどのように対応するのが良いか自ずと判明してきます。

 

このブログを読まれた皆様におかれましては、反論、質問、ご意見、何でも結構ですのでコメントを頂けましたら嬉しく思います。

 

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