屋根の下ぶき防水シートにご注意!⑥(改訂版) セルロースファイバーの調湿力(最終回)Come Undone♪

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「屋根の下ぶき防水シートにご注意」シリーズのバックナンバー

① 冬季は屋根の防水シートに結露しやすい!

② 夏は防湿フィルムが結露製造膜になる!

③ セルロースファイバーは結露となる水蒸気を余裕で吸湿

④ 豪雪地帯でも防水シート/防湿フィルムはNG!

⑤ 大切な家を長持ちさせるには、結露状況に応じた対応が肝要!

 

最終回となる今回は、結露の発生原理をお話したいと思います。

結露の発生原理を知り、なるべく結露が発生しないように住環境を整えれば健康住宅を長く維持できると思います。

 

その最大のキーとなる建材が、セルロースファイバー断熱材です。

セルロースファイバーは、その秀でた調湿能力に加えて、自然鉱物である「ホウ酸※」を加えることで以下の性能にも優れた能力を発揮します。

 

「防炎性能」ガスバーナーの猛火で燃焼しても炭化するだけで燃え広がらない

「防カビ・防虫性能」ホウ酸によりカビの繁殖を抑制し、ゴキブリ等の害虫も防ぐ!

「防音性能」柔軟にしなるセルロース木質繊維は凸凹な空気胞があり吸音効果が秀逸!

 

※ホウ酸は、その消毒効果から目薬にも使われ、塩よりも害が少ない自然鉱物です。

 ホウ酸は、塩と同様に揮発しないので半永久的に効果を発揮します。 

 

この理想的な断熱材「セルロースファイバー」で家屋を包めば、日本家屋が平均寿命30年弱と短命になる原因「結露」を抑制することができ、家を100年以上(場合によっては300年以上)長持ちさせることができます。

 

セルロースファイバーは室内で発生する膨大な水蒸気を調湿できるので、まるでダムが一時的に豪雨を貯め洪水を防いでくれるように、セルロースファイバーが大量の水蒸気を吸湿して結露の過剰発生を大幅に軽減してくれます。

 

冬24時間換気をしなくても、たまに窓を開けて新鮮な空気を室内に取り込むだけで、省エネで快適な健康生活をおくることができます。(法律で義務付けられている大袈裟な24時間強制換気をする必要が本当にあるのでしょうか?)

 

さて、結露はどのようにして発生するのでしょうか?

具体的には、下に示した「湿り空気線図」を使って結露が発生する仕組みをご説明します。

1.例えば、湿度100%・温度20℃の室内空気は、①約0.015㎏(15g)の水蒸気

  (気体)を乾燥空気1kg(約1㎥)中に含有できます。

2.一方、外気で冷やされた単層の窓ガラス近辺の温度が4℃になったと仮定すると、  

  窓ガラス近辺では湿度100%で②約0.005kg(5g)の水蒸気(気体)しか存在でき 

  ません。

3.よって、室内の湿った空気が窓ガラスに接した途端に、0.01kg(10g=①‐②)の

  水蒸気が飽和状態となり、窓ガラス表面に結露します。

4.たった10gの結露ですが、室内の湿った空気は窓ガラスに次から次へと流れ込む

  ので、結露はどんどん増えていきます。

 

窓の結露は拭き取ればよいのですが、外壁の中に発生した壁内結露は家の柱等の構造材を腐らせ家を短命にし、結露で発生したカビは万病の元になります。

 

結露の発生原理といっても、それほど難しい話ではありません。

 

覚えて頂きたいことは、「気体である水蒸気は気温が高いほど空気中に多く存在することができるので、防水シート表面(窓ガラスや壁内の防水シート、ビニールクロス等)の表裏に温度差があると、温度と湿度が高い側の防水シート表面(冷えた面の高湿側)に結露する」ということです。

 

実生活では、調湿機能に秀でたセルロースファイバーで過度の結露を吸湿してもらい、冬窓を締め切っていても、時々窓を開けたり換気扇を回して新鮮な空気を室内に取り込むだけで良いのです。

 

ただ、夏場の冷房は曲者です。

長時間の冷房で壁内部まで徐々に冷やされると、温度が高く湿気を沢山含んだ外気が壁内部の冷えた面(石膏ボードの室外側や防湿フィルムの室外側)に押し寄せ、結露する危険性があります。

人目につかない壁内の結露(逆転結露)が、日本住宅の平均寿命を30年弱にする原因です。

 

 

ちなみにピーカンの最高気温35℃超えの真夏日以外は、私の住居兼ショールームは窓を全開にしてエアコンをつけずに扇風機だけで快適に過すことができます。

 

また、マイナスイオンを発生する「ほたて漆喰」のおかげでしょうか?

夏は窓全開にもかかわらず、蚊取り線香も殆どつけることなく網戸だけでOKでした...

不思議!

リビングのある2階のベランダには、打ち水効果を期待して布と不織布を2重に張って直射日光でベランダが熱くならないようにしていることも快適性に寄与していると思います。

左は2022年7月6日のブログでご紹介した布を敷いた画像です。

右は2024年7月11日に改良した画像で、既存の布の上に不織布を敷いてベランダの縁に薄板で土手を作ってみました。(改良前は、散水するとかなりの水が排水溝に流れ出てましたが、今は殆ど無駄なしです。


結露の問題は私のライフワークになりました。

このテーマでご意見やご質問を頂けると嬉しく思います。

そして、日本の気候風土にあった家づくりを追及できたら幸いです。

 

結露は、地域別の気候特性や家屋の立地環境など多様な要因が複雑に絡み合う難しい問題ですが、結露の発生原理を理解すれば、どのように対応するのが良いか自ずと判明してきます。

 

このブログを読まれた皆様におかれましては、反論、質問、ご意見、何でも結構ですのでコメントを頂けましたら嬉しく思います。(終わります)

 

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